「急にお腹が痛くなる」「下痢や便秘を繰り返す」「検査では異常がないと言われたけれど、つらさは続いている」
このような腸の不調に悩む方が、近年とても増えています。
特に多いのが、過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)と呼ばれる状態です。
検査では大きな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛・下痢・便秘などの症状が慢性的に続くことが特徴です。
背景には、食生活だけでなく、ストレスや自律神経の乱れが深く関係しているケースも少なくありません。
この記事では、
過敏性腸症候群(IBS)の特徴や症状、悪化しやすい生活習慣、寛解を目指すためにできること、そして鍼灸での考え方について、京都の鍼灸院の視点からわかりやすく解説します!
過敏性腸症候群(IBS)とは?どんな状態を指すのか
過敏性腸症候群(IBS)とは、腸に炎症や腫瘍などの明らかな異常がないにもかかわらず、腹部症状が慢性的に続く状態を指します。
一般的には、
- 腹痛や腹部不快感が続く
- 下痢・便秘、またはその両方を繰り返す
- 排便によって症状が軽くなることがある
といった特徴が見られます。
一時的な胃腸炎や食あたりとは異なり、
- 明確な原因が特定しにくい
- 良くなったと思っても再発しやすい
- ストレスや生活環境で症状が変動しやすい
という点が、IBSの大きな特徴です。
過敏性腸症候群(IBS)の主なタイプ
IBSは、症状の現れ方によっていくつかのタイプに分けられます。
下痢型IBS
- 突然の腹痛と下痢が起こりやすい
- 外出時や緊張する場面で悪化しやすい
便秘型IBS
- 便が出にくく、お腹の張りが続く
- 排便後もスッキリしない感覚が残りやすい
混合型IBS
- 下痢と便秘を交互に繰り返す
- 体調やストレスの影響を受けやすい
分類不能型
- 上記に当てはまらないが、腹部不快感が続くタイプ
症状の出方は人それぞれで、同じIBSでも感じ方やつらさは大きく異なります。
過敏性腸症候群でよく見られる症状
IBSでは、以下のような症状が見られることが多いです。
- 腹痛、腹部の違和感
- 下痢や便秘、便通の乱れ
- お腹の張り、ガスが溜まりやすい感覚
- 排便後に症状が軽くなる
- ストレスが強い時期に悪化する
- 緊張すると急にトイレに行きたくなる
特に、「検査では異常がないと言われたけれど、症状が続いている」という点に、不安やストレスを感じている方も少なくありません。
ストレスと自律神経がIBSに関係する理由
腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、自律神経の影響を強く受ける臓器です。
強いストレスが続くと、
- 交感神経が優位になりやすい
- 腸の動きが過剰になったり、逆に鈍くなったりする
- 腸の感覚が過敏になり、痛みを感じやすくなる
といった状態が起こりやすくなります。
その結果、「ちょっとした刺激でもお腹が痛くなる」「緊張すると症状が出る」といったIBS特有の不調につながりやすくなるのです。
過敏性腸症候群が悪化しやすい生活習慣
- ストレスを溜め込みやすい生活
我慢や緊張が続くと、自律神経が乱れやすくなります。 - 食事のリズムが不規則
欠食や遅い時間の食事は、腸のリズムを乱しやすくなります。 - 早食い・ながら食べ
よく噛まずに食べることで、腸への負担が大きくなります。 - 睡眠不足・生活リズムの乱れ
回復に必要な時間が足りず、症状が長引きやすくなります。 - 体の冷え
お腹や下半身の冷えは、腸の働きを低下させやすい要因です。
鍼灸が過敏性腸症候群にアプローチできる理由
① 自律神経のバランスを整える
緊張状態が続きやすい体を、リラックスしやすい状態へ導くサポートが期待されます。
② 腹部や全身の血流を促す
血流が整うことで、腸が本来の働きをしやすい環境が作られます。
③ 全身の緊張をゆるめる
首・背中・お腹まわりの緊張が和らぐことで、腸への負担が軽減されやすくなります。
※感じ方や変化には個人差があります。
実際の改善イメージ(症例)
30代男性・デスクワーク
「緊張すると腹痛と下痢が出やすく、外出が不安」と来院。
定期的な施術と生活習慣の見直しを行った結果、
- お腹の痛みが出にくくなった
- トイレへの不安が軽減
- 睡眠の質が向上した
といった変化を感じられたケースもあります。
過敏性腸症候群の寛解を目指してできること
- 食事はよく噛み、ゆっくり取る
- できるだけ決まった時間に食事をする
- お腹を冷やさないよう意識する
- 湯船につかり、体を温める
- 深呼吸や軽い運動で緊張を抜く
まとめ|過敏性腸症候群(IBS)は体からのサイン
過敏性腸症候群は、腸だけの問題ではなく、ストレス・自律神経・生活習慣が複雑に関係して現れる不調です。
薬だけに頼るのではなく、体全体の状態を見直し、整えていく視点を持つことが、寛解を目指す上で大切になる場合もあります。
鍼灸は、体の回復力を引き出し、無理なく整えていくための選択肢のひとつです。
慢性的な腸の不調でお悩みの方は、ご自身の体と向き合うきっかけとして、こうしたアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。