鍼灸サロン孔‒KOH‒の西上孔一朗です。
当院は京都市中京区の京都市役所前駅から徒歩5分のところにあります。
皆様に有益な情報をお届けできるようブログを書いていきますね！
はじめに
早速ですが当院では『首肩痛』『坐骨神経痛』『生理痛』『慢性胃腸炎』に特化した情報をHPにてお伝えしております。
では、なぜこの4つの症例なのか？
それは当院で施術する疾患として多いからです。
今回は上記の症状ではなく「不眠症」に対してお話していきます。
そもそも不眠症とはどんな状態を指すのか？
不眠症とは睡眠障害の1つです。
「眠る機会や環境が適切にあるにも関わらず、睡眠の開始と持続、安定性、あるいは質に持続的な障害が認められ、その結果なんらかの日中の障害をきたす場合」と定義されています。
睡眠は生活環境、身体状態、精神状態に影響され、心身両面の規制と制御を受ける重要な生態現象です。
ただ、現代の日本人の10～20％が不眠症と言われています。
不眠症の原因とは？
不眠症の原因として「5つのP」としてまとめられているのでご紹介していきますね。
- Physical
疼痛、皮膚掻痒感、夜間頻尿、咳などの身体的要因 - Physiological
騒音、光、不快な温度、旅行による環境変化などの環境要因、好ましくない生活習慣などの生理学的要因 - Pharmacological
薬物の副作用ないし離脱などの薬理学的要因 - Psychological
緊張などの心理学的要因 - Psychiatric
抑うつ障害、不安障害、統合失調症などの精神障害など
不眠症のタイプのご紹介
- 入眠障害
入眠するまでの時間が延長（30分以上）して寝付きが悪くなり、本人がそれを苦痛と感じている場合である。
一般成人の7.2％に認めれています。
騒音などの環境要因、掻痒感や痛みなどの身体的要因、不安や緊張などの心理的要因 - 中途覚醒
入眠した後、翌朝目覚めるまでに何度も目が覚める状態です。
加齢に伴って増加するので回数が多くても覚醒時間が長くなければ異常ではありません。
一般成人の15.2％に認められています。
環境要因、頻尿や睡眠時無呼吸症候群、掻痒感や痛みなどの身体的要因、うつ病などの心理的要因 - 早期覚醒
本人が起きたい時間の前（30分以上）に覚醒してしまい再入眠できない状態
早期覚醒も加齢に伴って増加するので苦痛を感じるレベルではないのであれば異常ではない。 - 熟眠感欠如
睡眠時間は十分であるにも関わらず深く眠った感覚になれない状態
では当院ではどのようにアプローチするのか？
当院のカウンセリングで何を聞くのか？
- 心理的要因の強度はどれくらいなのか
人間関係、労働状況、健康管理などはどのレベルでしているのか？
また、もしその状況が危機的なものなのであればそれらを切り離すことは可能なのか？ - 「安心・安全」を感じる「人」「場所」「時間」を確保できているのか？
※5W2Hや既往歴などの内容は当たり前なので割愛しております
時間をかけて情報をいただくのは上記の2つですね。
慢性不調には自律神経系がとても！深く！強く！関係しています。
安心・安全を感じる頻度が減ると症状が現れることがほとんどなのでその点を詳しく説明。
そこから鍼灸治療に入るわけですが、東洋医学的視点は次回にまとめさせていただきます。
では、鍼灸以外に何をどのようにアプローチするのか？
- 五感に働きかけるトレーニング
- 呼吸トレーニング
上記を時間をかけて実施します。
五感というのは外界からの刺激（情報）を脳に伝えます。
その刺激がご自身にとって安心や安全を感じるのか？それとも脅威や不安、恐怖に感じるのか？
自律神経系は交感神経と副交感神経の2軸で理解されている方が多いと思いますが、ポリヴェーガル理論的には3軸と言われています。
この理論ベースで当院は患者さんに向き合い、上記のトレーニングを実施します。
五感のトレーニングでアプローチするのは[視覚]です。
呼吸トレーニングでアプローチしたいところは[横隔膜]です。
この2点を自宅でも簡単にできるセルフケア動画を必ず宿題として出しています。
自律神経系の不調に対する効果の出現時期とは？
これは結構大切なことです！
鍼や整体などそれ以外の何でもいいです。
何かしらの方法（施術）を受けた日に不眠症が完全に治ることは難しいです。
もちろんその日はよく眠れたというお声はよくいただきますが翌日は寝れなかった…
こんなことはよくある話というか長い期間で蓄積した脳内ダメージはそんな短期間では変わりません。
五感にしっかり働きかけてふとした時に「あれ？そういえば最近悩まなくなった？」
これが自律神経系に不調には最適です。
定期的に施術や考え方を受け入れた結果、安心と安全を感じる要素が高まった。
もしくは外界からのネガティブ要因に飲み込まれる頻度が格段に減少した結果です。
どれぐらいでよくなるの？と聞かれたら僕はこう答えます。
「個人差があるのではっきりこれぐらいとは言えないです」
なぜ、このように答えるのか？
なぜなら、自律神経系へのダメージの深刻度合いは様々だからです。
今回は不眠症のケースですが、この原因が家族関係でDV、モラハラ、家庭崩壊で悩んでいる日ちがいたとします。（実際にこのような方もおられました）
そんな方に「ここに週1回で通ってたら2ヶ月でよくなりますからね！」
僕はこのように伝えることが良いとは感じません。
自律神経系の悩みはそんな簡単なものではないんです。
当院が目の前の方にとって安心、安全を感じる場所になりその方の環境要因を整理していただき
そこからセルフケアをコツコツ積み重ねた先に心身ともにラクになる時が必ずきます。
なので、自律神経系で悩まれている方はまずはご相談だけでもしてくださいね。
